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阿曽藍人の記録、お知らせ、日々の泡。

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味岡さん


豊橋へ味岡伸太郎さんの個展を観に出かけた

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味岡さんとは1月の「愛知ノート」展で初めてお会いし、お話できた
僕は味岡さんの仕事を尊敬していたので、その時に交わした
すこしばかりの言葉のやりとりが心に引っかかっていた。
(つまりちょっと自信をなくした)

その味岡さんから個展の案内状を頂いた

豊橋は遠い
常滑から車で2時間以上かかる(高速は使わず)

途中、蒲郡でカレーがおいしいというお店に立ち寄るも臨時休業
まったく縁がない(でもまた行ってみよう)

豊橋のギャラリーサンセリテには初めて伺う
外観からしてすでに独特な空気がある
個展会場には味岡さんがいらっしゃった


幸運にも味岡さんと二人で話す時間を持てた
愛知ノートの時に交わした会話、覚えていてくださった
すぐには分からない面白い話を僕一人が聞いていた

彫刻と空間、構造、即興音楽、デザイン、川喜田半泥子…など
話題はさまざまに移る
基本的に辛口、でも嘘がない

「自然の美は味岡さんの美術にどう関係していますか」 「ない」
「自然=普通」 「自然の美には感動がない」 

こういうことをさらっと言ってのける
   
3時間以上いただろうか
ギャラリーが閉まるまでそこにいた

大きな問いと悩みを背負って帰ったが
不思議とうれしかった
ひとりの人として接して頂いたような気がした

自信なんていらないな、と今は思う
自信よりも確信がほしい

それは自分の手で勝ち取るしかない



個展は終了しましたが味岡さんのお話を聞ける機会があります

あいちトリエンナーレ2016 関連イベント
「トリエンナーレスクール第10回・素材で表現する」

2015年12月5日(土)14:00~16:00
穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
味岡伸太郎(あいちトリエンナーレ2106参加アーティスト)
進行役:拝戸雅彦(あいちトリエンナーレ2016チーフ・キュレータ)
共催:豊橋市 参加費:無料(申し込み不要) 定員:200名
http://aichitriennale.jp/event/

four 次 展

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自慢させてください。僕はこの場にいました。


伊藤慶二
国島征二
鯉江良二
田島征三


目の前で、生きて、存在している、その声、表情にふれると
一つの人生にふれたように感じるのです。

4人がそれぞれ、見事に違うのです。
4つの人生がたしかにある、という点において
同じ重みで、ここに集まっているのです。

無駄話はするけど、よけいなことは一つも言わない。
70数年生きてなお、思いは今にあるようです。

名古屋のLギャラリーにて開催中の「4次展」初日。
4月4日午後4時44分より始まった作家によるトークセッションに駆けつけた人たちで
ギャラリー空間は満員電車のよう。 
正直作品と静かに向き合うことはむずかしかったですが、人のあいだをするりと抜けて
あちこちに点在する作品を目に焼き付けて帰りました。

みんなが帰ったあとギャラリーに残る作品たちを想像すると
またまたにぎやかなおしゃべりが始まりそうです。


展覧会は4月26日(日)まで。

「感じる縄文時代」

感じる縄文時代

名古屋市博物館で開催中の「感じる縄文時代」展を観にいった。

タイトルにある「感じる」の部分がこの展覧会の楽しいところで
縄文時代の道具や食べ物、縄文人の骨(全体!)などを通じて
その暮らしや環境を想像することができる。

有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき)という美しい石器が目に留まった。
この石器の表面には規則正しく並んだあとがある。
それはどうやらシカの角で押しはがした剥離痕なのだそうだ。
石の表面を押しはがすのか、縄文人。

圧巻は縄文土器である。
なぜこんなものを作ったのだろう。
観れば観るほどわからない。が、とても好きだ。
ここで観たものを記録したいと土器の全体や細部、また
様々な石器をスケッチする。
(スケッチはご遠慮下さいとあったが、鉛筆を借りた際に許しを得た)

土器を観ていくうちにあることに気が付いた。
多くの土器の口縁部が「波打っている」のだ。
土器の文様として表れた波が、うごめき、土器全体に振動し、
その際(キワ)の部分に余韻を残して終わっている。
波打ち際だ、と思った。
土器に水を入れて魚や貝を煮ると、ますます土器は海に似てくる。
とまあこんな事を考えて一人興奮していたのだった。

観終えたところでガイドブックなるものが売っていて
ぜんぶ図版にあるやん、となったが、スケッチすることで
色々と発見があったり、より深く心に刻めたので良しだ。
つくづく物に直にあたることが大切だなと思う。
そこでは、まさに「感じる」ことができるから。
手に触れられたらもっと良いだろう。いつか触ってみたい。

博物館の常設では、旧石器時代から現代にいたる様々な展示が
繰り広げられていたが、縄文コーナーで学芸員のおじさんに色々
と教えを乞うているうちに、とうとう時間切れとなり、ついには弥生
時代までしかいけなかった。近いうちにまた行こうと思う。

今、縄文への情熱がこれまで以上に高まっている。

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